保隙装置とヘルマンの歯齢の関係

小児歯科学

D欠損

・D欠損に対してはEの近心傾斜防止のためにEにクラウンループを装着しDのスペースを保隙する必要がある

・Eが近心傾斜してしまうとこのあと萌出してくる第一大臼歯が近心傾斜し、鞍状歯列弓になったり、あるいは側方歯群の萌出スペースが減少することにより犬歯の低位唇側転位や前歯部叢生を引き起こすため早期治療の必要性を説明する

・ⅢB期になったら上顎はナンスのホールディングアーチ、下顎はリンガルアーチに保隙装置を変更しても良い

E欠損

・E欠損に対しては第一大臼歯の近心傾斜防止のためにディスタルシューをDに装着し保隙を行う

・第一大臼歯の萌出が2/3程度になったら、あるいは第一大臼歯の萌出が完了(ⅡC期)になったらシュー部分を切断して、クラウンバー保隙として引き続き使用するか、ディスタルシューを撤去し新たにクラウンループを装着し、第一大臼歯の近心移動を防止する

・もちろん第一大臼歯が萌出したあとはアライナーを使用した保隙やセクショナルアーチによる保隙をしても良いが、他の装置と比べディスタルシューの最大のメリットは確実に保隙が行えるということである

・ディスタルシューに関してもクラウンループと同じでⅢB期になったら上顎はナンスのホールディングアーチ、下顎はリンガルアーチに保隙装置を変更しても良い

多数歯欠損

・多数歯欠損に対しては小児義歯(可撤式保隙装置)を利用し、審美性の回復、垂直的な保隙(対合歯の挺出防止など)、構音機能、咀嚼機能の回復、隣在歯の傾斜移動の防止を行う

・ただし、保隙効果は患児の協力状態に依存する、この点が可撤式装置の欠点であるため低年齢児には適用できない

・また、小児義歯は顎骨の成長を妨げないよう調整が必要である

保隙装置とヘルマンの歯齢の関係のまとめ

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