疱疹性歯肉口内炎/ヘルペス性歯肉口内炎

小児歯科学

疱疹性歯肉口内炎とは?

・高熱と口腔内の水疱や接触痛が特徴的な小児に発生するウイルス性疾患であり、単純ヘルペスウイルスⅠ型の感染による

・多くの場合、不顕性感染であるが、症状が発症すると全身症状としては比較的長く続く高熱や全身倦怠感およびリンパ節の腫脹、口腔内症状としては歯肉や口腔内に多数の小水疱を形成し、接触痛および自発痛を呈し食事ができないことが多いため食事指導や栄養補給、保護者への説明が大切となる

・また、歯ブラシにより簡単に出血するのが特徴であるが、接触痛があるため歯ブラシ指導ではなく、イソジンやコンクールでのうがいなど清潔に保つことをお伝えする

第105回歯科医師国家試験B-21より引用

原因

・単純ヘルペスⅠ型の感染による(*HSV-1)

・ほとんどが初感染で、約1週間の潜伏期間の後、ウイルスは宿主の上皮細胞内に潜伏する

・飛沫感染または接触感染によるが、感染しても症状のでない不顕性感染が90%以上である

*HSV=Herpes Simplex Virus

症状

・歯肉や口腔内に多数の小水疱→アフタ→接触痛

・接触痛もあるが自発痛もある

・発熱、全身倦怠感、リンパ節の腫脹

・口臭

・乳児では口の痛みのために哺乳量が少なくなり脱水症状を呈するときがある

・成人でも発症する

治療

・口腔内の洗浄と安静

・栄養補給(糖分摂取)、水分補給

・ときに原因療法としてアシクロビル、Ara-Aなどの投与

保護者への指導

・イソジンやコンクールでのうがい

・接触痛はがあるため、歯ブラシによる歯面清掃は❌

成人の疱疹性歯肉口内炎の例


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