器械的矯正力と機能的矯正力
・器械的矯正力と機能的矯正力とは、力の発生源により分類されたものである
・力の発生源が器械によるものを器械的矯正力、器械以外の筋肉などによるものを機能的矯正力と考えるとわかりやすい
【力の発生源による矯正力の分類】
器械的矯正力
機能的矯正力
器械的矯正力
器械的矯正力とは?
・矯正用ワイヤーの弾性やゴムの収縮力、拡大ネジなどを使って荷重を歯や顎骨に直接加える矯正力のことを器械的矯正力いう
器械的矯正装置の種類
可撤式矯正装置
・床矯正装置
・緩徐拡大装置
・ヘッドギア
・チンキャップ
・上顎前方牽引装置(プロトラクター)
固定式矯正装置
・リンガルアーチ(舌側弧線装置)、クワドヘリックスリンガルアーチ、バイヘリックスリンガルアーチ
・マルチブラケット装置
・急速拡大装置
・顎間ゴム(2級ゴム、3級ゴム、垂直ゴム、交叉ゴムなど)
機能的矯正力
機能的矯正力とは?
・機能的矯正力とは、矯正装置自体は矯正力を発揮せず、下顎の運動に関与する咀嚼筋、舌骨上筋などの口腔周囲筋の力を、装置を介して矯正力として作用させるすることによって、あるいは装置により口腔周囲筋の力を排除することによって、歯や顎骨の移動を行う矯正力のことを機能的矯正力という
機能的矯正装置
・アクチバートル
・バイオネーター
・ビムラーのアダプター
・フレンケル装置(Frankel装置)
・リップバンパー
・バイトジャンピングアプライアンス
・咬合挙上板
・咬合斜面板
・切歯斜面板
・オーラルスクリーン
・エラスティックオープンアクチベータ
・アライナー(インビザラインやクリアコレクトなどのマウスピース型矯正装置のこと)
*アライナーは咬合力が矯正力として働き、アライナーを介して矯正力を直接歯に与える矯正装置である
*筋機能療法(MFT)も機能的矯正力であるが、装置を用いない機能的矯正力として分類される
*なお、アクチバトール、バイオネーター、フレンケル装置、咬合斜面板は軟骨性骨成長に関与するため成長期に使用する場合は下顎の成長の経過観察が必要
*下顎の成長を予測せず、矯正治療を早期に開始してしまったことにより再度外科的矯正治療を行う必要が生じる事にならないよう細心の注意を計る(明らかな骨格性の反対咬合の場合、20歳頃まで成長を待ち、外科的矯正治療を行うこともある、その方が患者のためであろう)
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