リップバンパー(lip bumper)

歯科矯正学

リップバンパーとは?

・下顎に使用される機能的矯正装置の1つで、口唇の機能圧を排除あるいは利用することで下顎前歯の唇側移動、永久歯の萌出スペースの獲得、反対咬合の治療あるいは加強固定などに用いられる矯正装置である

・患者がチューブに唇側弧線を挿入し装着する可撤式のものと、鑞着あるいは結紮して使用する固定式のものとがある

・機能圧を利用することで第一大臼歯の整直(頬舌的アップライト、近遠心的アップライト)や遠心傾斜あるいは遠心移動を行うことができるため、非抜歯矯正治療において使用されることがある

リップバンパーの構造

・維持バンド(第一大臼歯に装着)

・チューブ(第一大臼歯に装着される唇側弧線を通すチューブ)

・唇側弧線およびバンパー(歯列から2~3mm唇側離す)

・結紮線(リガチャーワイヤー)

リップバンパーの適応症

・口唇圧により下顎前歯の叢生や舌側傾斜が認められる場合(悪習癖を除去したい場合)

・大臼歯の近心移動、傾斜の改善によりスペースリゲインしたい場合

・上顎前歯を後退させたいとき(2級ゴムを使用する場合など)の下顎固定源を加強したい場合(加強固定)

リップバンパーの作用機序

①下唇の圧を排除することにより、下顎前歯の唇側移動を行う

②下唇の圧を利用して#36,46及び#37,47(下顎の大臼歯)の整直(頬舌的アップライト、近遠心的アップライト)を行う

③抜歯症例における加強固定として下顎の大臼歯の近心移動を防止する

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