歯原性粘液腫とは?
・歯原性外胚葉性間葉に由来する良性の歯原性腫瘍で、歯原性上皮を伴う比較的稀な腫瘍である
・良性腫瘍であるが、被膜がなく顎骨に対し局所浸潤性に増殖し、顎骨膨隆をきたすため周囲組織を含めた顎骨切除が推奨されている腫瘍であり、良性腫瘍の中で悪性腫瘍に準じた治療法という点が非常に特徴的な疾患である
・また、再発率が高いため悪性腫瘍に準じた扱いが必要である
・無症状であることが多いため、顎骨膨隆や顔面非対称から偶然発見されることが多い
歯原性粘液腫の原因
・歯原性外胚葉性間葉に由来
歯原性粘液腫の疫学・特徴
・10~40歳のあらゆる年齢に発生する
・下顎大臼歯部に好発する
・比較的稀な腫瘍
・無症状であることが多く、顎骨膨隆や顔面の変形をきたす
歯原性粘液腫の病理組織像
・紡錘形あるいは星状形の細胞が粘液様間質に疎に増殖している
・軽度の核の大小不同や過染色性を認める場合もあるが、悪性を示唆する所見は認めない
・鑑別疾患:エナメル上皮腫、歯原性角化嚢胞、脂肪肉腫や軟骨肉腫などの粘液変性
歯原性粘液腫のX線画像
・テニスラケット状の骨吸収像を認める
・多房性の骨透過像の中に樹枝状の不透過像(骨梁が存在)を認める
歯原性粘液腫の治療法
・顎骨切除術
・若年者では、切除が困難な場合があるため腫瘍減量術を行う場合もある
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