ワルチン腫瘍とは?
・全耳下腺腫瘍のうち約70%が多形腺腫がしめ、約15%がこのワルチン腫瘍がしめる
・別名腺リンパ腫ともよび、病理組織学的には腺上皮細胞のみの増殖に起因する良性腫瘍である
ワルチン腫瘍の疫学・特徴
・50~70歳に多く(多形腺腫との鑑別に用いられる)、性差は男性に多い
・耳下腺に両側性に好発し、発育は極めて緩慢で表面滑沢、弾性軟、ときに波動を触れる無痛性の境界明瞭な腫瘤を形成する
・悪性転換することはまれである
・TcO4-が集積
ワルチン腫瘍の病理組織像
・好酸性細顆粒状の細胞質を有する上皮細胞(ミトコンドリアが豊富)と濾胞形成を伴うリンパ組織性間質からなる腫瘍である
・上皮細胞による腺管状や乳頭嚢胞状構造を呈する
・上皮細胞は、腔側に高円柱状細胞、間質側に立方状細胞の2層性に配列する
ワルチン腫瘍の検査所見
ワルチン腫瘍の治療法
・ワルチン腫瘍と確定診断ができ、審美的な面が問題なければ経過観察する
・確定診断できない場合や審美的に問題がある場合は手術適応となるが、顔面神経の温存が原則的に必須である
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