ベーチェット病(Behcet病)

口腔外科学

ベーチェット病とは?

・口腔粘膜の慢性再発性アフタ、外陰部潰瘍、結節性紅斑などの皮膚症状、虹彩毛様体炎などの眼症状の4つの症状を主症状とする原因不明の慢性全身性炎症性疾患で、副症状として関節痛、副睾丸炎、消化器症状、血管症状、中枢神経症状などを呈することがある

・別名「シルクロード病」ともよばれ、地中海沿岸、中東から東アジアにかけた地域に多い

ベーチェット病の原因

・原因不明であるが、好中球機能亢進を背景とした免疫異常と考えられている

・また、ヒト白血球抗原(HLA)の中のHLA-B51保有者の相対危険度が上昇していることから遺伝的素因の関与、あるいは細菌など微生物由来のヒートショックプロテイン(HSP:heat shock protein、熱ショックタンパク)の関与も考えられている

ベーチェット病の疫学・特徴

・好発年齢は20~30歳代、性差はないが重症例は男性に多い、小児や老人は少ない

・眼症状はとしては虹彩毛様体炎、前房蓄膿性ぶどう膜炎などによる視力の低下、口腔症状としては、慢性再発性アフタ(大きめ)、皮膚症状としては結節性紅斑や無菌性膿瘍、外陰部症状としては外陰部潰瘍などの4つの主症状を呈する

・副症状はとして、関節痛、副睾丸炎、消化器症状、血管症状、中枢神経症状などを呈する

・ベーチェット病の診断基準では、この4主症状、 5副症状の組み合わせで診断する

ベーチェット病の臨床検査

・皮膚の針反応(注射刺入部位に無菌的に膿疱ができる、皮膚の過敏性亢進)

・炎症所見(白血球数の増加、血沈の亢進、CRP・補体・免疫グロブリンの上昇)

・HLA-B51の陽性(HLA:Human Leukocyte Antigen)

ベーチェット病の治療法

・慢性再発性アフタには、ステロイド軟膏の塗布、皮膚症状には、コルヒチン

・重篤な眼症状、重篤な臓器病変を合併する場合の治療にはシクロスポリンやメトトレキサートなどの免疫抑制剤やコルヒチンなどのステロイド剤による治療を行う


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