インプラント治療に対する成功基準とは?
・1978年のNIHハーバード会議ではインプラント体の動揺や周囲骨の吸収を容認しており、75%以上の症例が5年間機能しているという基準であったが、1986年Albrektssonらによりインプラント体の動揺は容認されなくなり、また経年的な骨吸収の程度が数値化され、さらには5年成功率が85%以上とインプラント治療に対する成功基準は高くなった
・現在では、1998年のトロント会議がインプラントの成功基準として用いられているが、このトロント会議では患者および術者の満足度が基準に入ることとなった
インプラント治療に対する成功基準の変遷
1978年NIHハーバード会議におけるインプラント治療に対する成功基準
・各方向に1mm以下の動揺は許容する
・エックス線学的に観察される透過像は基準にならない
・インプラントの垂直的な高さの1/3以下の骨吸収は許容する
・治療不可能な歯肉炎、炎症および感染がない、隣在歯には損傷がない 、知覚異常や知覚鈍麻(脱失)がない
・75 %以上の症例が5年間機能する
1986年Albrektssonらによるインプラント治療に対する成功の基準
・検査時に、個々の連結されていないインプラントは動揺しない
・エックス線学的にインプラント周囲に透過像を認めない
・インプラント埋人後1年以降の経年的な垂直的骨吸収は0.2mm以下である
・インプラントによる持続的および非可逆的な徴候や症状(疼痛、感染、神経麻痺、知覚異常、下顎骨損傷など)がない
・上記の条件下で、 5年成功率85%が最低の成功基準とする
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