慢性増殖性歯髄炎(chronic hyperplastic pulpitis)とは?
・歯髄腔から外向性にポリープを形成する開放性の歯髄炎のことで、別名歯髄ポリープあるいは歯髄息肉とも呼ぶ
・歯髄組織の生活力が大きい若年者に多い歯髄疾患である
【歯髄炎の分類】
急性歯髄炎
-急性単純性(漿液性)歯髄炎
-急性化膿性歯髄炎
-上行性歯髄炎
慢性歯髄炎
-慢性潰瘍性歯髄炎
-慢性増殖性歯髄炎
慢性増殖性歯髄炎の原因
・う蝕の進行
・外傷
慢性増殖性歯髄炎の臨床症状と特徴
・乳歯、永久歯ともに臼歯にみられる
・機械的刺激によって出血しやすい
・自発痛(−)
・閾値上昇
・霊温水痛(−)
・食事痛(+)
慢性増殖性歯髄炎の病理組織像
表層は潰瘍あるいは重層扁平上皮で被覆され、その下のポリープ内は肉芽組織、さらに深部は線維性結合組織の3層構造で構成される
慢性増殖性歯髄炎のX線像
歯冠側から歯髄腔まで到達する透過像が観察される
慢性増殖性歯髄炎の治療法
・一部性の場合:生活歯髄切断
・全部性の場合:抜髄
・放置の場合:歯髄壊死や歯髄壊疽に陥り根尖性歯周炎へと進行していく