星状神経節ブロック（SGB：Stellate Ganglion Block）

歯科麻酔学

2018.12.202019.12.04

この記事の目次

星状神経節ブロックとは？

・代表的な交感神経ブロックで、交感神経をブロックし除痛効果を得るとともに副交感神経を優位にすることで、血流を増加させ局所の痛みを改善するだけでなく体全体の自然治癒力を高める治療法である

・頭部、顔面、頸部、上部、胸背部、上肢、胸腔内臓器に分布する交感神経がこの星状神経節を通るとされており、これらの部位の疼痛、血流障害、神経麻痺、多汗症などに対し広く星状神経節ブロックが行われている

・星状神経節ブロックはコンパートメントブロック（神経を含んだ鞘の中に薬剤を注入して目的の神経を遮断する神経ブロックの方法）である

・Horner（ホルネル）徴候：縮瞳、眼裂狭小（眼瞼下垂）、眼球陥凹

・眼球結膜の充血

・血流の増加、体温の上昇

・鼻閉感

・発汗低下

・嗄声（反回神経麻痺）

・血管内注入による局所麻酔中毒（意識障害、痙攣）

・血管穿刺による出血

・末梢性顔面神経麻痺（ベル麻痺、Hunt症候群、外傷性）

・帯状疱疹後神経痛

・非定型顔面痛

・片頭痛

・メニエル病

・過換気症候群

・突発性難聴

・レイノー症候群

*中枢性顔面神経麻痺は❌

*三叉神経痛❌

*舌咽神経痛も❌

*三叉神経麻痺については異論がある

歯科治療による下歯槽神経・舌神経損傷の診断とその治療に関するガイドラインhttp://kokuhoken.net/jdsa/publication/file/guideline/guideline_nerve_injury.pdf