唾液に含まれる抗菌物質

免疫学

唾液に含まれる抗菌物質

ラクトペルオキシダーゼ

・細菌の代謝経路を阻害する(グルコースの取り込み阻害)

・チオシアンイオン(SCN−)と過酸化水素との反応を触媒し、抗菌因子であるシアノ亜硫酸やシアノ硫酸を生成し、抗菌作用を発揮する

ロダン塩(チオシアン酸)

・ラクトペルオキシダーゼの補助因子

リゾチーム

・ペプチドグリカン(細菌の細胞壁)の合成阻害

・細菌の細胞壁のN-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンのβ-1,4結合を加水分解する

ラクトフェリン

・細菌の増殖に必要な鉄を奪う

β- ディフェンシン

・病原菌の細胞膜に付着し細胞膜のイオンチャンネルに影響を及ぼすことで抗菌活性を示すと考えられている

ヒスタチン

・作用機序は不明

・高ヒスチジン塩基性ペプチドで、非酵素性の抗菌物質

・カンジダに対して強い抗菌作用を持ち、P. gingivalisに対してプロテアーゼ阻害作用を持つ、う蝕病原菌に対しては増殖抑制作用を持つ

・唾液のみに含まれるタンパク(唾液腺で特異的に発現しているのが特徴)

シスタチン

・細菌のリソソームから遊離されるシステインプロテアーゼを阻害する

分泌型IgA

・粘膜免疫の主体を担い、特異的に感染防御機構に関与する

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