歯科用セメントの組成

歯科理工学

リン酸亜鉛セメント

・正リン酸+水

・酸化亜鉛+酸化マグネシウム(ZnO+MgO)

特徴

・酸塩基反応
・有芯構造
・ガラス練板と金属スパチュラ(発熱が大きい)
・4分割
・機械的嵌合のみで、化学的接着はない
・歯髄刺激性がある(1日)が著しくはないため、使用される
・寸法変化は2%程度の膨張
・水で硬化促進
・酸化亜鉛にはX線造影性がある

シリケートセメント

・正リン酸+水

・フッ化アルミノシリケートガラス(SiO2Al2O3CaF2)

特徴

・現在ではあまり使用されていない

カルボキレートセメント

・ポリアクリル酸

・酒石酸

・酸化亜鉛+酸化マグネシウム(ZnO+MgO)

・HY剤(タンニン・ フッ化物合剤:歯質強化作用および抗菌作用を期待)

特徴

・合着材、修復時の裏層材および裏装材として用いられる
・歯髄刺激は少ない

従来型グラスアイオノマーセメント

・ポリアクリル酸

・フッ化アルミノシリケートガラス(SiO2Al2O3CaF2)

特徴

・フッ素徐放性
・歯質に近い熱膨張係数、収縮もなく寸法安定性が非常に良い
・引っ張り強さが強い
・歯質、卑金属(卑金属はイオン化しやすいから)に接着する
・貴金属(イオン化しないから)、陶材には接着しない
・pHが中性に近いため,歯髄刺激性が極めて少ない(原則他の材料で裏装はしない)
・硬化時の収縮が少ない(寸法安定性が良い)
・機械的物性に優れる
・酸塩基反応、イオン架橋により硬化する
・歯質との接着は、カルボシキル基とアパタイトの反応による
・感水により白濁するためバーニッシュ(ニス)塗布が必要
・水を含む
・半萌出歯にも適用できる(フッ素徐放性、歯質接着性があるため)

レジン添加型グラスアイオノマーセメント

・ポリカルボン酸

・HEMA(水溶性レジンモノマー)

・フッ化アルミノシリケートガラス(SiO2Al2O3CaF2)

特徴

・歯質接着性が向上
・機械的性質は顕著に向上
・光照射により、硬化がシャープに

酸化亜鉛ユージノールセメント

・ユージノール

・酸化亜鉛+酸化マグネシウム(ZnO+MgO)

特徴

・粉と液はキレート結合する(キレートで硬化)、歯質とはキレート反応しない
・水によって硬化が促進する
・歯髄鎮静作用
・硬化反応によって水が生じる
・機械的強度が弱く、合着に使用できない
・歯質接着性はない
歯科理工学
シェアする
Dental Note

コメント

テキストのコピーはできません。